Episode 8 復讐

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「……ふう~、やっぱりシャバの空気は美味いなー!」 綺麗な満月が浮かんでいる夜空を見上げながら、暗い雰囲気を払うように明るい音声で言う玲二。 だが彼の気遣いも虚しく、黒斗と鈴が纏う雰囲気は暗く沈んだままである。 (……仕方ないよね……あんな怖い人でも、2人の友達だったんだもん……) 心情を察した玲二までも落ち込んでしまった。 「…………」 一歩 足を進める黒斗だが、鈴は扉の前で俯いているままだ。 彼女に声をかけようと近付く黒斗。 「橘っ!!」 その時 黒斗の顔色が変わり、鈴の腕を掴むと乱暴に後方へと投げ飛ばした。 「きゃっ……」 鈴が地面に倒れると同時に、顔に温かい液体が掛かり、驚いた彼女は黒斗の方へ視線を移す。 「………………えっ?」 黒斗の姿を見た鈴の表情が固まった。 同じく黒斗を見ている玲二も血の気が引いた顔で、身体をガタガタと大きく震わせている。 「……あ、あ……あにき…………」
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