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「…………大神……くん…………」
鈴の か細い声で名前を呼ばれた大神は彼女へ視線を移した。
「何で…………こないな、酷いことが、出来るん? クロちゃんやケイちゃんが、何をしたっちゅうんや? ケイちゃんを操って、クロちゃんを、こないにして………………何で、なん?」
「…………フフッ…………そんなことより、やっぱり橘には赤い色が……血が よく似合うよ」
「っ! ふざけんといて!!」
問いに答えず意味不明なことを言い出す大神に怒りをぶつけるも、彼は動じずに いやらしい笑みを浮かべて鈴を見下ろしている。
「こんなに血を浴びたのに、まだ分からないのかい?」
「…………はあ?」
「うーん……まだまだ時間が掛かりそうだなあ」
残念そうに呟くと、大神は背後にゲートを開いた。
「橘……君が僕を理解してくれる日を……心待ちにしているよ」
意味深なことを言い残し、大神はゲートを潜り姿を消した。
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