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(……よ、よしっ!)
ある決意をした玲二は おもむろに顔を上げ、松美の目を真っ直ぐに見つめた。
「あのっ……もし良かったら、オレも清菜さんを守り隊に入れてくれませんか!?」
「えっ、レイちゃん!?」
突然 玲二が清菜の護衛を申し出たことに鈴が驚きの声を あげるが、玲二は真剣な表情のまま松美を見続けている。
(オレに出来ることなんて無いかもしれないけど、大神さんの力を知っているんだし、ちょっとは警戒や対処の役に立つかもしれない)
母を亡くした時と同じように、何もやらずに後悔したくない玲二は、松美は勿論 清菜と内河も守る為に行動を起こしたのだ。
「……お前が そうするなら、俺も一緒にやろう」
「クロちゃんまで!?」
黒斗までも『清菜さんを守り隊』に志願したことに驚愕する鈴。
黒斗もまた、玲二と同じように清菜の周辺で起きている妙な事件を大神の仕業かもしれないと予想していた。
「……お前ら2人が清菜さんを守り隊に入隊希望だとぉ? 怪しい……実に怪しいぞっ!! 橘だけでなく、清菜さんまでも誘惑しようと企んでるんじゃないのか、このムッツリスケベ」
「違いますっ!! そもそもオレが好きなのは まつ……ゴホン! とにかく、オレは清菜さんに悪いことしたから、その罪滅ぼしが したいだけなんです!」
「……俺は コイツがヘマしないか心配だからだ」
それぞれ理由を述べる黒斗と玲二だが、無駄に疑り深い内河兄妹は訝しげに2人を見つめるばかりで中々 頷こうとしない。
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