─誤算─ Act50.

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「………え」 「それに雑になるわよね、普段より。 言葉遣いとか」 「…………」 ………気づいていなかった。 「いや… こんなもんだろ? 普段から」 否定してみたが、由里子はわざとらしく首を傾げる。 「……酔ってねーぞ?」 「酔ってる酔ってる」 言い返せる気がしなくなって、オレは黙った。 いまひとつ腑に落ちない。 そういう無自覚な部分から、思いも寄らないことを見透かされるものなのか。 プライベート用のスマホにメールが届いた。 手洗いに行くふりをして席を立つ。 美緒からかと期待したが、外れだった。 真紀だ。 先日のことに触れもせず、『何してる?』と一言だけ。
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