74人が本棚に入れています
本棚に追加
「…なんでだろうな」
「意味分かんないんだけど」
畳み掛けるように、また言われた。
会話のペースが速い。
慣れないペースだ。
言葉遣いが、つい粗雑になりかける。
「そんなこと、オレにだって…
………分かればもっとうまく…」
「へぇー。
好きなんだぁ」
反射的にオウム返ししかけて、声を飲み込んだ。
好きなんだって…
いや…
……………………
…………そういうことなんだろうか。
だから、考えが追いつく前に動いてしまうのか。
「………なんか…」
真紀が何かつぶやいたようだ。
よく聞き取れなかった。
最初のコメントを投稿しよう!