俺が歯医者に通うワケ

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  何年かぶりに、訪れた歯医者。 そこで、貴方に会った。 「これはもう、運命だと思うんですよね!」 「…ふ~ん? 俺は別にそうは思いませんけどねぇ…」 あぁ、そんなつれない態度も素敵です! 「だってだって、 貴方は俺のタイプどんぴしゃなんですよ…!」 びっくりしたね。 女神(っても男だけど…)が舞い降りたかと…。 あの衝撃は歯の痛みも忘れるほどだったなぁ…。 …まぁ、実際は普通に痛かったけども。 ジンジンズキズキしてたけども。 治療も、そりゃもうすっげぇ痛かったけども! それでも、 そんなことより… 出会えた衝撃の方が、何倍も何百倍もデカかった…! まぁ、つまりはそういうことだ! 運命だと思うだろこれ! 「へ~…そうなんですかぁ。 あ、口開けて下さいねー」 「あうあ」 「…喋らないで下さいねー。 治療出来ないし、ついでに危ないですよー」 あぁ…そっけない態度…! でも、俺…知ってるんです分かってるんですよ! ついで、とか言いつつ… 危ないって忠告してる時の声が、 ちょっとだけ…ほんの少し柔らかくなってること! あぁ、やっぱり貴方は優しい人ですね! 例え治療はありえんくらい痛かろうと…。 その時、ちょっと楽しそうにしてようと…。 優しい貴方が好きなんです!  
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