プロローグ

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爆音を響かせ10数機のヘリコプターが3~4機ずつ編隊を組み、アフガニスタンの山岳地帯を飛行していた。 1機のヘリコプターに、乗員3名以外アメリカ海兵隊の兵士が10数人乗機している。 彼らはパキスタンとの国境地帯に潜伏するターリバーンの1部隊を壊滅するために出撃してきた強襲部隊だ。 その中の1機、兵士達は緊張した面持ちで眼下に見えるアフガニスタンの山々を見下ろしターリバーンからの攻撃に備えている。 緊張している部下達の気持ちを和らげるため、乗機している中で最上級者の曹長が監視の目を機外の山々に向けたまま、狙撃銃を抱え同じように山々を見下ろしている古参の軍曹に声を掛けた。 「おいマック、国ではお前の婚約者が首を長くしてお前を待っているのだよな?」 ヘリコプターの爆音に負けないデカイ声で話し始めた曹長の声に、乗機している兵士達が耳をそばだてる。 「何だ、チャック羨ましいのか?」 曹長の考えを察した軍曹が返事を返してくる。 「いや、羨ましくは無いが、お前がカブールで仲良くなったイギリス軍の女性兵士はどうするのかと思ってね」 「え!?あの女の子?2~3回話した事があるだけだぞ」 「じゃ、俺が頂いても良いのか?」
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