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真夜中、俺と加賀はこっそり部屋から抜け出し、警備の目を潜って指定外区域に侵入した。 加賀にどんな伝があるのか知らないが、彼は他人の通行証を携え、それを使って次々とドアのロックを解除して行った。 辿り着いた先に、見慣れたガラス窓があった。 トマの部屋と同じだ。 中を覗くと、薄暗い室内にベッドが並んでいる。 子供が寝ている。 体に薄い毛布を掛けているが、その異様さは見て取れた。 一番端のベッドで寝ている男の子は、背中に瘤状の物が隆起していた。 今にもそこから何かが飛び出して来そうだ。 隣の子供は、頭蓋骨が変形している。 更にその隣では、ベッドから伸びた異常に長い腕がゆらゆら揺れて…。 俺は、膝から力が抜けて座り込みそうになった。 加賀が慌てて支え、俺を引き摺るようにして廊下から出た。 俺は、昨日見た事をトマに話した。 トマは黙って聞いていた。 その日を境に、彼は自殺行動をぴたりとやめ、いつもの日常へと戻った。
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