602人が本棚に入れています
本棚に追加
頭の中は混乱状態。だから逃げるように帰るので精一杯だった。
家に帰ってソファーで一息ついてもまだどきどきしていた。
だって、付き合ってみないかなんて、意味がわからない。
昼間に「勘違いするなよ」と、散々なことを言ったくせにどうして。
――ああ、もしかしてわたしが昼間失礼なことをしたから、からかって小馬鹿にしようとしたのかな。
でもあれは早瀬さんが人を嘲笑うような態度だったから、ついカチンときてしまって、馬鹿にしないでくださいという意味のキスだったわけで……。
改めて考えてみるととんでもない行動だったなと、赤面して頭を抱える。
あのときは後のことをまったく考えていなかったんだもの。
どうしよう。色々考えれば考えるほど恥ずかしくなってくるし、わけがわからなくなる。
そしてまたどきどきが強くなってくる。
早瀬さんのことは忘れるんだと、そう思っていたはずなのに。
もやもやとどきどきで忘れることはできなかった――
最初のコメントを投稿しよう!