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覚悟。
逃げる事の許されない、覚悟、って…?
「分かってもらえるかな?…私の言いたい事」
ユイの瞳の中の冴えた輝きは、臆する事なく美跳の心の奥底を探ってくるように真っ直ぐに刺さってくる。
そんな眼差しを向けられると、逃げ場のない場所へどんどん追い込まれていくようで、美跳はどうにも苦しくなる。
「あたしに、その覚悟が足りない、ってこと?」
「…みはねちゃんだけじゃない。哲くんにも足りない。…自分がスターだという自覚も、覚悟もね」
そっか。
そう、、だよね。
だって、あの日。
迷いがあった哲太に世界への扉の前に立つようにと、背中を押したのは紛れもなくあたしだったんだ。
そうしておきながら今、帰国を決めユースを離脱して、自分の元に戻ってきてくれた哲太に、こんなにも嬉しく思ってるあたしって、…
覚悟ができてなかったと言われても、何一つ反論できない。
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