無敵ちゃん、世にはばかる。

5/5
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
「俺の悪口ならどれだけでも言えばいい。 越谷主任への悪口は俺許しませんよ。 それに女だからとかそういう目で俺見ませんから。 ていうか、そういうのご法度ですよね?」 ワザワザ立ち上がり、周りを見渡す藤原さん。 その気迫に周りはしんとなった。 藤原さんは長身ですらりとしている。 切れ長の瞳にインテリ系の眼鏡がよく似合う。 このルックスと優しい人柄から男女問わず人気のある藤原さん。 そんな藤原さんが部署が変わった途端、絶不調のようだ。 上司として心配なところ……。 「はいはい。 もうおしまい。 プレゼン早く仕上げないと間に合わないわよ」 色々考えてたけど熱くなってる藤原さんを止めた方がいいわね、うん。 「越谷主任!」 あたしの制止に藤原さんは納得がいかない様子。 「藤原さんもホラ」 藤原さんの元へ行きポンと軽く肩を叩く。 「……はい」 肩を叩かれた藤原さんは渋々仕事に戻る。 周りも同じように仕事を再開。 あたしも自分のデスクに戻り印鑑をペタンペタンと押す。 変わらない日常のはずなのに何だか変な感じがした。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!