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「上司が女だから気合い足りないんじゃないか?」
確かにそうかもしれない。
藤原さんほどのデキる男があたしに下なんて嫌に決まってる。
そりゃ、ミスも増えるわ……。
でもこのご時世、女だから~何て言っていたら大問題だよ。
浅はかな発言だ。
「何で左遷されたんだろうな」
左還……じゃないんだよな。
真実は。
あたしも疑問に思っていた。
藤原さんほどの優秀な人がなぜ部署異動なのか……と。
しかもバリバリの営業マンだったから、デスクワークはしんどいだろうな……。
「はい、みなさん無駄口は厳禁~」
パンパンと手を叩きみんなを制止してくれたのは、高校時代からの親友・荻野 千幸(おぎの ちゆき)。
偶然同じ会社に就職が決まっていつもあたしを支えてくれている最高の親友。
ショートカットの黒髪に綺麗な黒い瞳、背も高くカッコイイ。
スポーツ万能でカッコイイ女子として千幸は昔から男女問わず人気があった。
今は結婚して双子ちゃんの母でもある働くお母さん。
結婚して子供がいても、所帯染みてない。
そんな彼女はあたしの憧れの子でもある。
「てかさ、そういうのマジやめてくれないかな?」
ポリポリと頭をかきながら藤原さんは作業する手を止めた。
「藤原さん?」
藤原さんの反応に思わずあたしは彼を見てしまった。
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