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「俺の悪口ならどれだけでも言えばいい。
越谷主任への悪口は俺許しませんよ。
それに女だからとかそういう目で俺見ませんから。
ていうか、そういうのご法度ですよね?」
ワザワザ立ち上がり、周りを見渡す藤原さん。
その気迫に周りはしんとなった。
藤原さんは長身ですらりとしている。
切れ長の瞳にインテリ系の眼鏡がよく似合う。
このルックスと優しい人柄から男女問わず人気のある藤原さん。
そんな藤原さんが部署が変わった途端、絶不調のようだ。
上司として心配なところ……。
「はいはい。
もうおしまい。
プレゼン早く仕上げないと間に合わないわよ」
色々考えてたけど熱くなってる藤原さんを止めた方がいいわね、うん。
「越谷主任!」
あたしの制止に藤原さんは納得がいかない様子。
「藤原さんもホラ」
藤原さんの元へ行きポンと軽く肩を叩く。
「……はい」
肩を叩かれた藤原さんは渋々仕事に戻る。
周りも同じように仕事を再開。
あたしも自分のデスクに戻り印鑑をペタンペタンと押す。
変わらない日常のはずなのに何だか変な感じがした。
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