弊社のサーヴィス紹介

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 俺がそう訊ねると、  「お客様はまさか、コンビニなんぞで殺害の道具を購入なさるおつもりですか? 面白いですね」  クスクスと笑い始めた。  「コンビニなんぞで殺害道具を購入するのは三流犯罪者のやる事です。必ず足が付きボロが出ますよ。此方で注文した方が上策かと」  言われてみれば、防犯カメラにレシートと色々と証拠が出そうだし、目撃者も出るだろう。  「そう、だね此処でお願いするよ」  「有り難う御座います。では混入物に付いてはどうされます? つきましては此方にお客様の食生活をご記入して頂きますが」  食生活?  「何で?」  「普段からお酒を飲まない方が突然お酒を出すと怪しまれますし、日頃食べない特別な料理を出すのは明らかに変です。だからお客様、あるいは殺害対象が普段摂取しているものに混入するのが上策かと思います」  ワインでと言おうとしたけれど止めて正解だった。  仕方なく、俺は受付嬢の差し出した書類に普段の食事内容を記入する。  コンビニ弁当に、  総菜にジュース。  意識する事なぞ無かったがこうして書き出してみると意外に質素だ。  「有り難う御座います。この場合ですとジュースに混入するのが宜しいですね。ワインより自然に見えます」
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