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第6章 出会い
「でもさ、探すとなる戸惑うわね。どこを目指せばよいのか。北って言ってもね・・・」
シェイラは悩んでいた。悩みながらとりあえず北をめざしていた。
途中で魔法協会により、聞いてみたが収穫は得られなかった。
ただ、この羽はきっと聖なる物ではないかと思い、
聖なる土地は北にあるという言葉を便りに北に向かって歩いていた。
大分歩いたころだろうか。
「み~つけた、可愛い獲物ちゃん」
頭の上から声が降ってきた。
「結構探したんだぜ。この俺様の電波に引っかからないなんてよほど、強いシールドかけてたな」
あたりまえである。狙われているのだから自分のシールドのうえに、精霊たちにもかけてもらったのだ。
「あんた誰?何の用」
そう言われた正体不明の男は、背が高く、黒くて短いがさらさらした髪に、整いすぎて美しいとしか表現出来ない綺麗な顔、細い体には黒の服を着てマントを身つけていた。その男が浮いていた場所から下に降り、 シェイラの前に立った。
「俺か?俺は魔王貴族さ。お前を食べに来た」
笑顔で言われて、はい、そうなんですかというシェイラ行ではない。
魔王貴族?食べられる?冗談じゃない。そんな奴と戦える自信がない。
「お言葉ですが、その件は却下させていただきます。先をいそぐので、それでは・・・」
「おっとまった。逃げられるのは困る。それに、食べるというのは冗談だ。おれに、そんな下等な趣味はない。ただ、おまえが欲しいのは事実だ。」
魔王貴族の相手をしている場合ではない。逃げなきゃ。
「逃がしはしないぜ。俺の好きな色を放つ奴は、俺のものだからな。」
そんなこと言われてもお断り。魔王貴族とはさっさとおさらばしたい。
「それでは、これで・・・」
全てを無視してシェイラたちは、魔王貴族の横を過ぎようとした・・・ら・・・
「ここで行かせるわけにはいかない。他の妖魔達なんかに触らせたくないからな」
そう言ってマントを広げた。
「そこまでして逃げたいなら、俺のものになれ。俺のしるしを渡してやろう。」
そう言われてみても、うなづく訳に行かないシェイラは
「私は誰の者にもならない。」
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