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男に付いていくと
確かに人相が悪い男たちが数名いた。
「みんな、今夜はゆっくり眠れるぞ」
シェイラを連れてきた男はにこやかに手を振った。
「さあ、まずはお金頂戴。」
シェイラは男に催促をした。
「おお、そうだったな。」
そう言っていた盗賊は、いつの間にかシェイラ達を男たちは囲んでた。
「悪いが仕事をしてもらおうか。払う金は一銭たりともない!。」
態度が変わった男にシェイラは怒りを覚えた。
「ふうん。最初からそのつもりだったのね。いいわ。そっちがその気ならこっちにも考えがあるから」
そう言うとシェイラは杖を空に向けて立てて呪文を唱える。
「我、雷神に願う。この杖の周りに雷を落とせ」
呪文とともに空には黒雲が集まり突然雷がシェイラの周りに落ちてきた。
その瞬間、恐ろしい光の輪が囲んでいた男たちの頭上で光り、盗賊達は頭を抱えて座り込んでたり、森の中に逃げ込んだりしていた。
「さて、どうしましょうか?」
シェイラは、盗賊にたずねた。
男たちは手の平を返したように
「じよ、冗談ですよ、魔法師様。
お金は直ぐに持ってきますからお待ちくだせい。」
リーダーのような男が慌てて奥に入って行った。
「契約道理にしなきゃ、仕事なんかしないわよ。」
近くにある木に寄り掛かりながら呟いた。
少しして男が袋を持って近寄ってきた。
「これでいかがでしょう。」
サーシャは袋の中身を確認した。金貨と宝石が多めに入っていた。
「今回はこれでいいわ。ただし、今後、今みたいなことしたら
追加額で貰うわよ...力づくで。いい?」
「それはもちろんです。」
手をスリスリしながら男は言った。
「これで契約成立ね。それじゃ仕事をすることにしますか。」
そう言うとシェイラは、男たちのアジトらしい場所の四隅の土に魔方陣を書き
杖を大きく振り回し呪文を唱えた。結界魔法だ。
「よし、これで大丈夫でしょう。強すぎる妖魔以外なら入ってこれないわ。」
シェイラは杖で見えない空間をトントンと試し確認した。
それが終わったら、シェイラは、男たちと離れた場所で貰った宝石を幾つか出した。
「これで少しの間は持つかな。」
シェイラは袋をマントのポケットに入れて眠りの床に付いた。
「用心棒よろしく」
守護獣たちに言って疲れたのか眠ってしまった。
予想通り、朝までの間に、何人か、宝石を狙って男達が襲いに来た。
シェイラは宝石の入った袋を抱いて熟睡。
そのため守護獣達は忙しい夜を過ごすこととなった。
念のため言っておくが盗賊が恐れていた妖魔は一匹も入って来なかった。
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