第8章 占い師との出会い

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第8章 占い師との出会い

 北へ進路を定めたシェイラ達は、黒龍が住むと言うウィリーキングマウンテンを目指し歩き始めた。  途中、雑魚妖魔や中級妖魔風の魔物に会ったが、大した苦もなく撃退しながら旅は、続いていた。 「どれくらい歩けばウィリーまでたどり着くのだろうね。」 歩けど歩けど、なかなか近づかないウィリーキングマウンテンのすそのにある街にたどり着かないと、飽きが来ていたシェイラだった。  お金の蓄えは、いくらかあったため、街にたどり着けば野宿はしなくてすんだのだが、街と街の間隔が長いため、野宿することも何度かあった。しかし、慣れたせいかシールドをしっかりかけて置けば、妖魔を気にせずに眠ることも覚えた。  何度目かの街に着いたときのこと。  街の入口で占いをやっているようなお婆さんに声をかけられた。 「もしもし、そこのお嬢さん。あなた、魔法師の方かしら?」  見れば分かるじゃない、服装で。  そう思ったが、(お年寄りには、丁寧に)と、教わったので 「そうですが、どうかなさいましたか?」  と、丁寧に聞くと 「お嬢さんには、魔法の才能があるのに、知識が乏しいと水晶が言っておる。そのために、危険な目にあったとき、対応できない・・・と、水晶が警告を発しておる。」  ドキッ!  確かに、学校はダントツの成績で卒業した。しかし、それ以降は誰にも教わっていないため、使える魔法は限られていた。  しかし!何も不自由はしてない!  出来ないところは、使い魔がやってくれるもん。 「使い魔に頼ってばかりはいけないよ。」  ズッキ!  この婆さん、痛いところをついてくる。  でも、教えてくれる人なんて居ないもん!  開き直るシェイラの心を読んだように占い師は言葉を続けた。 「今まで通った街には、魔法教会とか魔法図書館とかが無かったわけでもなかろうに。」  痛い、痛い。胸の奥に呪いの釘が突き刺さってくる。  確かに、途中の街には、魔法を学べる所があったかも知れない。しかし全てをスルーしてきた。 「だって、今まで、苦労した事なんて無かったもん。」  シェイラは反論した。 「それは、使い魔がいたからじゃ。しかし、使うものが進歩せねば、使い魔も進歩しないぞ。」  ならばと、シェイラは反撃する。 「じゃあ、私にどうしろと言うの?」  占い師にかみついた。 「幸に、この街、ル・アーブルには、特級魔法師がいる魔法師教会とか大きな魔法図書館がある。そこを訪ねて学ぶがよい。」  学ぶがよいって 「何を学ぶのよ。今の私は困っていることないもん!」  占い師は答えた。 「そうさのう、例えば、お嬢さんが持っている宝石の使い方とか・・・」  何で、あなたが知っているのよ。宝石を持っているなんて。  確かに、宝石を取り上げたけど使い方、分からなかったけど。 「分かったわよ。教会の魔法師に会って、これからのことを相談してみるわ。忠告ありがとうね。」  そう言って、シェイラ達は、ル・アーブルの街に入って行った。
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