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第9章 ル・アーブル魔法協会
シェイラ達は、先に今日の泊まる宿を決めて、それから、街のなかを散策することにした。もちろん、占い師の婆ちゃんの言っていた魔法協会を探すためである。
「ホントにアポ無しで寄って大丈夫なのかなぁ。なにしに来た、なんて怒られたりしないのかなぁ。」
少し不安なシェイラだったが、とりあえず、宿の人に渡された地図を頼りに魔法協会を探した。
2、30分歩いただろうか。そびえ立つ魔法協会を見つけた。
恐る恐る扉を開けて入ったら、愛想のよい声のお姉さんが、笑顔で迎えてくれた。
「ようこそ!魔法協会へ!今日は、どんなご用でいらっしゃいましたか?」
シェイラは、ビックリして即答出来ないでいると
「あっ、そうそう、まずは、お名前と、ご住所の記入をお願いしますね」
サクサクと協会のお姉さんは、自分の仕事をこなす。
シェイラは、言われたように簡単な住所と名前を書いた。
「ウクサルからいらっしゃったシェイラさんですね。ちょっとお待ちください。検索をかけますので。」
5分かかっただろうか。
「なんと、ウクサル魔法学校の優等生のシェイラさんではないですか。お会いできて光栄です。私の名前は、ブルーナ。この協会で働いています。さてさて、ご用を賜りたいのですが。」
シェイラは、困った。これと言って、用はなく、占いの婆ちゃんに言われたから来ただけなのだから。
んーと、考えた末に出た結論は、もらった宝石の扱い方が知りたいということだった。
「そうですか。錬金術の方法ですね。お待ちください。詳しいものと、話をしてきますので。」
そう言って、ブルーナは、協会の奥に消えていった。
「それにしても、立派な建物だね。」
シェイラは協会の中を見回した。中央の柱には、どでかい柱時計、横の壁には代々の会長の写真だろうか。飾ってある。天井は高く、天窓になっているせいか、中は明るい。綺麗な絵画も壁に、何枚か飾ってある。そんな風に、協会の中を見とれていたら、ブルーナが、小走りに戻ってきた。
「先生の予定が空いていたのですぐに対応出来るとのことでした。どうぞ、こちらです。」
通された部屋は建物の中間部分に位置する部屋だった。ブルーナが部屋のドアをノックする。
「モルドレッド先生、お連れ致しました。」
すると、部屋の中から声がした。
「お入りなさい」
音もなくドアがひとりでに空いた。
「どうぞ、中へ」
ブルーナが言う。
シェイラは、恐る恐る部屋に入っていった。
「ようこそ!ル·アブールヘ。錬金術を知りたいそうね。さあ、そこへお座りなさい。」
シェイラは言われるがまま、部屋の中央にある席に座った。
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