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第11章 ル・アブールの街
図書館で時間を使ってしまい、外は、いつの間にか暗くなっていた。
「お腹空いたな」
シェイラは、宿に戻り、食事を取ることにした。
「久しぶりに、頭を使ったせいか、お腹が空いた。今日は食べるわよ!」
そう言って、頼んだ肉やら野菜をガツガツ頬張った。お金は大丈夫だもん。あの、アミュレットさえ売れたら、宿台も、食事代も、軽いもんよ‼️
シェイラは、確信をもって食事をした。
「あーお腹一杯!寝ようかしら」
シェイラがそう言うと、耳元で風の精霊シルフが
「ダイヤをお金に変えてきましょう。」
と囁いた。
「えー今からー」
「結構な食べぷり。お金、間に合うかなぁ」
確かに、結構食べた。
時間はまだ、はやいから、出かけてみっか。
シェイラは、夜の街に出てみた。
意外と街は賑わっていた。
「さてと、作ったアミュレットを売りにいこうか。」
魔法道具を売っている店を探した。
10分程度歩いただろうか。
『魔法屋』という看板を見つけた。
「こんにちは」
「はーい」
奥から、人の良さそうなお婆さんが顔を出した。
「どんなご用?」
「買ってもらいたい魔法の道具があるの。」
「あら、どんなものかしら?うちは、売るのが商売なんだけど」
そう言いながら、近づいてきた。
「宝石のアミュレット。お守りにどうかなって」
シェイラは自分で作ったアミュレットを出して見せた。
「あらあら、綺麗なお守りねぇ。これなら、売れそうだから買ってあげてもいいわよ」
「ホントに!」
シェイラは喜んだ。
「お代はいくらかしら」?
お婆さんに聞かれ、相場の分からない。
「いくらぐらいで買ってくれる?」
「そうさねぇ、30ベルならどうかい?」
宿台が素泊まりで10ベルである。悪い金額でない。
「OK。それで売ってあげる。」
シェイラは、60ベルを受け取った。
その時、入ってきたお客が、
「綺麗なアミュレットだねぇ。これ、おいくら?」
と買いに来た。婆さんは、
「お目が高いね。これは、私の店では1つしかない魔法のアミュレットなんだよ。そうさねぇ、50ベルでどうだい。」
シェイラは耳を疑ったが、その客は
「わかった。50ベルでちょうだい。」
おいおい、婆さん、商売上手いねぇ。
客がいなくなってから、シェイラは
「お婆さん、商売、上手いねぇ。」
「なに、こんなもんさ。ほんとなら、もっともうけたかったが、お嬢ちゃんに高値で売られたからねぇ」
高値って、婆ちゃんのいいねだろうよ。
年寄りは言いたいように言うねぇ、とシェイラは考えた。
「そうそう」
婆ちゃんが話しかけてきた。
「うちで長々おいている水晶があるんだが、それに加工が出来ないかねぇ。魔方陣を入れるとかしておまもりでうりたいんだけどねぇ。出来るかい?高く弾むよ。」
多分、先生に教わった錬金術の応用だろう。やってみる価値はある。
「いくらで買う?」
婆さんに聞いてみた。
「あれは、少し大きくて、うちのお守りとして売れるからねぇ。ん~。30ベルでどうだい?」
嘘でしょ。あの小さなアミュレットを50で売ったのに、それより大きいのが安いなんて。
「だめ。60でならやる。」
「人の足元をみたねぇ。んー、仕方ない。上手く出来たら60で買おう。ただ、魔方陣は縦に、そして、水晶の真ん中に入れておくれよ。」
えっ、難しい問題だ。
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