第3章 卒業の日

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 その直後、周りで様子を見ていた妖魔が現れた。その数10体はあるだろうか。 「まじ!!」 「やばいな」 「でも、やるっきゃないでしょう」  シェイラは腹を括った。 「皆、行くわよ!」  シェイラは呪文を唱えた。  杖を自分の頭の上で回しながら 「火の精霊よ、我に力と守りを・・・」  「バルフレア!」  シェイラの杖から複数の炎の矢が飛び出し、妖魔達に襲いかかる。  やられる妖魔もいるがかわして反撃してくる妖魔もいた。 「杖よ我を守る盾となれ」  シェイラは何とか応戦する。  召喚獣達も戦っていた。 「ディム・ウイン」  風の精霊シルフの突風は数匹の妖魔をまとめて吹き飛ばした。 「ダグ・ハウト」 アルマロスが槍で襲い来る妖魔を倒した。  一生懸命反撃してはいるが数が多すぎる。  やっと妖魔が4体になった時、 「みんな、一斉攻撃よ。この4体を倒したら飛んで逃げましょう」  これに反応したのはシルフだった。 「みんなが妖魔を倒した瞬間に空に吹きあげるから」  シェイラは言った。 「せいので攻撃するわよ。失敗したら置いて行くからね。」  みんなが頷く。 「せいの!」 「ヴァル・フレア」 「アイシクル・ランス」 「ダグ・ハウト」  それは、一瞬のことだった。  火花が散り、氷が舞い、地が震えた。  そして、シルフの声が響いた。 「ディムクロー」  気がつけば、シェイラたちは、空中に浮いていた。 「あの数の妖魔を、私たちたおしたの?」 シェイラは信じられないようで、力ない言葉で誰にともなく聞いた。 「倒したのよ。よく、頑張ったわシェイラ。」  シルフは、シェイラを労った。 「このまま、この風で、シェイラの街までいきましょう。結界は出来るだけ厚くしておいたから、もし、攻撃が来ても、一撃では壊れない・・・はずよ。」  こうしてシェイラと仲間たちは、シェイラの生まれ育った街に向かった。    これを見ていたのか、何処かから声がした。  あの娘、俺、欲しいな。  何処かで契約して、俺のものにしてやろう。  その声は楽しそうだった。  
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