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第1章 闇がざわめく
突然、一筋の光が、漆黒の闇を貫いた。
闇の住人達はざわめいた。
“今のは何だ”
“何が起きた”
“誰の仕業だ”
ざわめきが闇に伝染していく。
得体のしれない光への恐怖を感じて。
『静まれ!愚か者どもよ。』
闇の何処からか、力強い声がした。
それは闇を統べる者の声。
闇の住人達の主の声。
『今の光は、何かが何処かに生まれた印の光だ。我らの存在を危ぶむものかもしれない。皆で探せ。あの光の元を。そして危険なら消し去れ!力となるものなら我に差し出せ。さあ、いけ!』
力ある声が消えた。
同時に闇の住人達は四方八方に飛び散った
“どこだ…どこにいる”
“我らの主人の贄を探せ”
“弱ければ主人に差し出さずに我の力としよう・・・”
緩やかに流れていた闇は、あちらこちらと散り始めた。
光を求め…。
力を求め…。
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