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うちのクラスは卒業しても同窓会はやらないのだろうな、とのんびりと考えていたら不意にけたたましいベルの音が響いた。 なんだろう。 火災だろうか。 私は思わず立ち上がったが、どうすべきかわらずに立ちすくんでしまった。 こんなベルがなるなんて聞いていない。 「なにしてんの?あんた死にたいの?」 困惑していたら、小さいけれど勢いのある声で怒鳴るように話しかけられた。 みると一畳さんが体に泡をつけたまま手招きをしている。私は慌てて一畳さんを追いかけてお風呂をあがった。 「こっちよ」 小さな声でそういうと一畳さんは私の手を握った。力が痛いほど強かった。 なにが起きたのかさっぱりわからない。 「一畳さん?」 引きずられるように走りながら声を掛けたらぎろりと睨まれた。 なんで裸で、私たち廊下を走っているの? 誰かにみられちゃうかも。 それより、今なにがおこっているの? 聞きたい事は山程あったけれど一畳さんの目の迫力に私は黙り込まされた。
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