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お風呂場の入口で城ヶ崎さんとすれ違った。
「あら、ごきげんよう」
城ヶ崎さんはにこりとする。
彼女にはそんな意識はないのだと思うけれどどうも近寄りがたい。
私はペコリとお辞儀した。
同じクラス同じ寮。でも私たちはいつもこう。嫌いなわけじゃない。どう接したらいいかわからないだけ。
私の横を通り過ぎていく城ヶ崎さんからはいつもの甘い香りがした。
彼女は一日二回お風呂に入る。何か特別なシャンプーでも使っているのかもしれない。香水や市販のシャンプーとはまた違った柔らかな匂いが常にする。
密かに憧れていた。
この真夏にクーラーを拒否して汗をかいていれ女とは大違い。
きっと城ヶ崎さんは汗をかいたことがないのだと思う。
本当に女の子らしい。
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