就職と特訓と召喚神と

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「証拠」 神様の証拠ってなんだろうな。適当に翼でも出せばいいのかな? 「ほらよ」 15対30枚の純白の翼を出す。翼の一つ一つには召喚陣が描かれている。 「足りない」 これ以上はどうしろって言うんだか、神様の証拠になりそうなものと言ば・・・。 「コレとかどうだ?」 俺がルナリスに見せたのは、神様認定証だ。神様なら必ず持ってないといけないものだが、俺に関わる神が少ないから殆ど役にたってない。 「本物の神様」 なんかじっと見つめたと思ったら、目を輝かせたんだけど、え?これは認められたってこと?こんな物で? 「タクト」 そしていきなりの呼び捨てかよ、俺も人の事は言えないけど。 「強くなりたい」 そして唐突に何でっしゃろこの娘は、俺がこのまま放置するとでも思ってたのかね? 「おk、お前が望むなら、強くしてやるよ」 「私も協力しますよ」 「よろしくお願いします」 さて、役者が揃ったところで最初のステップに行くとしますか。 「それじゃあ、マズはお茶を飲み切るか」 アインスが入れてくれたお茶を啜る。うん、美味い。ほうじ茶でないのが少し残念だけど、紅茶も偶にはいいか。 「おい、そんな顔するな。強くなるのに重要なのは、焦らない事だ」 なんかジト目で見られていたのでそう諭す。実際問題、焦ってもどうしようもない問題だし、こればっかりはゆっくりやるしかないさ。 「そんなペースで1か月後は大丈夫なんですか?」 分かってて聞いてるよな?顔が若干ニヤけてるし、何より、俺の普段の特訓メニュー知ってるよな? 「大丈夫大丈夫、魔法なんてなくても、あいつ1人くらいなら簡単にひねれるようになるから。・・・・・生きてれば」 最後の方は聞こえないように、小さな声で呟く。実際聞こえていないようで、ルナリスは渋々ながら紅茶を飲んでいる。 「何度も言うようですが、皆が皆タクトさんみたいな化物級じゃないんですから、ちゃんと手加減してあげてくださいね」 俺が特訓とか言う度に言ってるな。まあ、毎度毎度やり過ぎるからなんだろうけど、アレは俺が悪いんじゃない。俺の予想を遥かに下回るやつが悪いんだ。
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