373人が本棚に入れています
本棚に追加
/443ページ
「証拠」
神様の証拠ってなんだろうな。適当に翼でも出せばいいのかな?
「ほらよ」
15対30枚の純白の翼を出す。翼の一つ一つには召喚陣が描かれている。
「足りない」
これ以上はどうしろって言うんだか、神様の証拠になりそうなものと言ば・・・。
「コレとかどうだ?」
俺がルナリスに見せたのは、神様認定証だ。神様なら必ず持ってないといけないものだが、俺に関わる神が少ないから殆ど役にたってない。
「本物の神様」
なんかじっと見つめたと思ったら、目を輝かせたんだけど、え?これは認められたってこと?こんな物で?
「タクト」
そしていきなりの呼び捨てかよ、俺も人の事は言えないけど。
「強くなりたい」
そして唐突に何でっしゃろこの娘は、俺がこのまま放置するとでも思ってたのかね?
「おk、お前が望むなら、強くしてやるよ」
「私も協力しますよ」
「よろしくお願いします」
さて、役者が揃ったところで最初のステップに行くとしますか。
「それじゃあ、マズはお茶を飲み切るか」
アインスが入れてくれたお茶を啜る。うん、美味い。ほうじ茶でないのが少し残念だけど、紅茶も偶にはいいか。
「おい、そんな顔するな。強くなるのに重要なのは、焦らない事だ」
なんかジト目で見られていたのでそう諭す。実際問題、焦ってもどうしようもない問題だし、こればっかりはゆっくりやるしかないさ。
「そんなペースで1か月後は大丈夫なんですか?」
分かってて聞いてるよな?顔が若干ニヤけてるし、何より、俺の普段の特訓メニュー知ってるよな?
「大丈夫大丈夫、魔法なんてなくても、あいつ1人くらいなら簡単にひねれるようになるから。・・・・・生きてれば」
最後の方は聞こえないように、小さな声で呟く。実際聞こえていないようで、ルナリスは渋々ながら紅茶を飲んでいる。
「何度も言うようですが、皆が皆タクトさんみたいな化物級じゃないんですから、ちゃんと手加減してあげてくださいね」
俺が特訓とか言う度に言ってるな。まあ、毎度毎度やり過ぎるからなんだろうけど、アレは俺が悪いんじゃない。俺の予想を遥かに下回るやつが悪いんだ。
最初のコメントを投稿しよう!