一、浚われる日常。

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自分の不幸体質と言うか、自分から不幸に飛び込んでしまう体質が嫌になる。 中学の時に親が離婚した時、お互いが俺を引き取ることを嫌がり、とっとと再婚して全く俺に会いに来ないどころか居ない扱いを受けたのはもうしょうがないけれど。 大部分の学費を自分で貯めなければいけないのはきつかった。 お金はないけれど、家に置いてくれた父方の祖母も、段々寝たきりになって介護はほぼ俺がした。 思い出しても――今まで楽しかったことが思い浮かばない。 「ボーナスまで苦しいけど、頑張らなくちゃ」 ガッツポーズで天を仰いだら、真正面からサイレンの音が聞こえてきた。 「火事だ――!!」 その声に俺は前を見るが、煙はすぐ近くから湧きあがっていた。 「まさ、か」 こんな時の嫌な予感は当たるから怖い。
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