*恋多き女優?涼風彩の秘密<後編>*

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でも、 彼の話を聞いていて、 解ったのだけど、 彼は、 婚約者の妊娠のことを、 まだ知らないらしいということ。 だったら、 私から言うことなんて何もない……。 彼が婚約者の妊娠のことを知ってて、 平気で私の身体にも触れようとしたんじゃない ってことが解ったのだから。 今まで、 私のことだけを、 変わらず愛してくれてたってことが解ったのだから……。 例え、 これから先、 彼と一緒に居られないのだとしても、 ーー私は一人なんかじゃない。 私には、愛菜が居るのだから……。 愛菜と一緒に、 また、 彼の居ない少し前までの私たちの生活に戻るだけのこと……。 「もう、解ったから、頭を上げてちょうだい?」 「……こんな僕でも、許してくれるのかい?」 「許すも許さないもないわ? どんなあなたのことも愛してるから…」 「ありがとう。彩乃…」 その夜、 私と直斗さんは、 最後の夜を過ごした。
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