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三歳の俺、カムバック。
なんでそんな馬鹿な事、言ってしまったんだ。
俺が17年前に言ったその台詞のせいで、こいつは今、俺に執着してんだろ。
「でもめそめそ泣けば、貴方はヒーローのようにやってくるから、泣いたふりしてたの。気づいたら、貴方が守ってくれなくても苛める人なんて居なくなったけれど、でも私は貴方が好き。強い貴方を縛って乱れさせたいほど好き」
「……最後の一文で台無しだ」
俺が守ってやんないと、と思ってた。
周りからは俺がこいつを苛めてたように見えたらしいけど、ちゃんと俺が守ってるってことはこいつには分かって貰えてたなら、――もう周りの雑音はどうでもいいや。
「きゃー! お母さん、お母さん!」
麗一狼が扉を持ったまま俺と見つめ合ってるのを、仕事を終えた美砂が見て飛び上がって驚いた。
「またお兄ちゃんが、今度は脱衣所の扉壊した!」
「はあ!?」
どう見ても、扉を持ってるのは麗一狼なのに、なんで俺のせいになってるんだ。
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