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「もう、我慢できないわ」
麗一浪は蝋燭の火を消した。
そのまま、俺が飲んでいたお猪口を奪って、投げ捨てると、俺を布団へ押し倒した。
狼の首筋からふろ上がりの良い香りが漂ってくる。
「お前って、本当に」
「なあに?」
「いや、良い男だなって」
こんなに上等な男が、俺の為にオネエ言葉とは何かくすぐったい。
性癖はしゃれにならんぐらいヤバいけど、それでも――こいつの信念はまっすぐでしっかりしてやがる。
「青葉ちゃんったら」
軽く唇を重ねた後、俺の脚の間に狼の太ももが入ってくる。
片足を曲げられ、着物の前が露わになる。
真っ暗な中、うっすらと障子の窓から月の光が差し込んできて。
それを頼りに、狼のほほに手を伸ばした。
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