プロローグ

2/26
前へ
/396ページ
次へ
男が女に、女が男に告白するならまだ分かる。 でも、数年ぶりにみるこいつは、女みたいにピーピー泣いて俺が守ってやっていて子分にしてやっていた時の姿を消し去っていて。 妖艶で、甘ったるいむせ返る様なフェロモンを垂れ流しにしながら、俺の身体を上から下までまじまじと見る。 「貴方の筋肉の彫りを舌でなぞりたい」 これが再会して数時間後に、男であるオカマ野郎が、男である俺に放った告白の言葉である。 つまりこいつは――俺のことが好きではないんだ。
/396ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2575人が本棚に入れています
本棚に追加