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「実はね、今日誰も居ないのよ」
家に着くなり、ケーキをテーブルに置くとそう言った。
「そんな事だろうと思った」
「あのね、おばさんの快気祝いに二泊三日の温泉旅行におばさんと美紗ちゃんとうちの両親を。おじさんにはイギリスに飛んでもらったわ」
おじさんには念入りだな。
だがウキウキと寝室を開ける。
ベットが取り払われ、二枚の布団がピッタリとくっついて並べられている。
「ね。初夜よ。初夜!」
「……お前、飯とかは」
「特上お寿司。晩酌してあげるわ」
ここまで用意されたら、断るわけにはいかない。
せっかく覚悟を決めてくれたんだから。
俺も受け止めてやるか。
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