2575人が本棚に入れています
本棚に追加
投げ飛ばした男が、着物から見える足を内股気味にしているのに引いてしまった。
てか、
「お前、隣の呉服屋の狼じゃねーか!」
「そうよう、そうよう。酷いわ、見た瞬間に思い出してよ」
起きあがりながら泣き真似をしつつ布で涙を拭く真似をする狼に、思わず苛っとしてしまう。
男なら、もっとしゃきっとしねーか!
「おい、お前の手に持ってるもんはなんだ」
「今、どさくさに紛れて貴方から奪った、貴方の下着ちゃんです」
下着ちゃんじゃねーーー!
「返せよ! ソレがなきゃ、ノーパンで仕事しなきゃいけねーんだよ」
「ねえ、仕事って土木作業? 何してるの? 型枠? 壁?」
「いいから、返せって。てめーみたいな貧弱野郎に関係ないだろーーーー!?」
一瞬で起き上がった狼は、俺のズボンのゴムを指で伸ばして中を覗きこんだ。
「……あら、凄い」
ポッと頬を染めて、俺の大きさ、堅さ、ハリ、持久力に定評のある息子を覗きやがった。
「……縛ったら赤黒く腫れちゃうのかしら」
最初のコメントを投稿しよう!