2575人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺も筋肉は自慢だから見せても良い。女になら」
「女ことばの私は駄目?」
「気持ち悪いってんだろーが! 消えろ! 俺は好かれるなら女がいい! 女がいい!」
男なんかと一線を越えるなんてありえねえ!
「んもう。経験ないくせに、なんでそんなに女にこだわるのよ。昨日、気持ち良かったくせに」
「ばっ 昨日のことなんかトイレに流して忘れたってーの!」
会話しつつも、ドアを閉める開けるの大攻防中だ。
頼むから諦めてくれ。
「私は忘れないわ。青葉ちゃんが私の手に放った温かな――恋心」
「きめえー!!」
物は言いよう、だが。
あんな液体を、存在もしない恋心に例えないでくれ。
気持ち悪すぎる。
「私が七歳の頃よ。貴方が初めて私を助けたのは、なんと! 三歳の頃だったんだから」
「突然何だよ。俺は三歳の記憶なんか残ってねーよ」
ふんっと鼻であしらうと、急にドアを引っ張っていた麗一狼の力が強くなった。
「私は忘れない」
最初のコメントを投稿しよう!