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「ちょっと! 麗一狼さんの手を煩わせないでよ! いいじゃない。パンツぐらい自分で洗いなさいよ!」
「自分で手荒いとかダサ過ぎるじゃねーか」
「じゃあ、母さんが洗おうか」
……どれもこれも嫌過ぎる。
「分かったよ、自分で洗う」
「外の水道で洗ってね。脱衣所の洗面台が汚れたら嫌だから」
「美砂、てめえ、いつかぶっ殺すからな」
なんで自分のパンツを、外の蛇口で洗うんだよ。
男バージョンのシンデレラ並に俺、虐げられてねえ!?
「可哀想に。私の家なら気兼ねなく洗いに来ていいからね」
それこそ、お断りだ。
だが、その日のうちに、美砂が洗濯板とバケツとたらいを百均で揃えて来やがった。
何でも揃える百均、一生恨むぞ。
「美砂も今は、受験やら反抗期で果敢な時だから、ちょっとだけ我慢してくれない?」
我慢も何も、――俺にだけだぞ。
親父が生きてたら、親父に反抗期してたってことか、あいつ。
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