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ノーパンの股間狙いか、上半身の縛り痕を覗くのか、
どっちでも、好きにしやがれ。
それぐらいで、済むなら我慢してやる。
一度抜きっこした(一方的だが)んだから、そんなに俺は自分の身体を勿体ぶったりしねーぞ。
女じゃあるまいし。
麗一狼の切れ長の目を捕える。
睨んで穴が開けば良いほど睨んでやる。
一瞬でも俺はこいつに弱みを見せないように、好きにさせないように強く強く。
「その瞳が堪らないのよ」
口角を上げただけで、麗一狼の手が素早く伸びた。
頬を流れるように触れた手は、俺の顎を持ちあげる。
股間でも
縛り痕でもなく、
麗一狼は俺の唇に触れた。
舌を絡ませる様な、濃厚なキスではなく。
唇と唇が触れるだけの、キス。
きっかり五秒数えてやろうと思っていたのに、向こうから唇を離された。
「ごちそうさま。甘かったわ」
そんな訳ねえ。煙草プカプカさせてニコチン野郎だぞ、俺は。
「貴方のその真っ直ぐな性格が、命取りになるんだから」
「は?」
「うふふ。おやすみなさい」
「お、おい、麗一狼?」
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