2572人が本棚に入れています
本棚に追加
/396ページ
「ねえ、私の青葉ちゃんだって、ちゃんと釘を射しとかなきゃダメかしら?」
風呂上がりの名取おじさんを見つけて、私は声をかけた。
叔父さんのタイプではないのは重々承知だけれど。
叔父さんは、賢治みたいに筋肉マッチョの男らしいのを苛めたいタイプだし。
こんな細い目で、女みたいななよっとした表情で、攻めなんだものね。
「ふふふ。キミは猪突猛進なオカマだね。大丈夫。興味はないよー」
「そう。じゃあ、いいけど。でも近づかないでちょうだいよね」
「余裕ないねー」
髪を拭いていた叔父さんは、猫の帯の顎をゴロゴロさすりながらのんびりと帯に話しかけている。
「余裕ないわよ。まだあの肉体美が私のものじゃないんだもの」
「隙だらけなのに、あの子」
隙だらけでも、女の子大好きな健全な男が簡単に男に気を許すわけないのよ。
でも、その方が燃え上がるけど。
最初のコメントを投稿しよう!