オヤジの愛しかた

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 仁はベッドヘッドに背中を預けて、無造作に置かれた煙草に、ジッポの火を点すと、優雅に紫煙を吐き出していた。  事後の一服とは、男ならわからないでもないが、余裕すぎて腹が立つ。  そうして色気をダダ漏れさせる男を気だるく眺めると、口に咥えていた煙草を遊馬の唇に一服とさし込んでくる。すうっと肺にいれるとすぐ放されて、細く長い煙を吐いた。 「アズ、あきらめな」  何をと聞かないまでも、わかる。悪い男に惚れて、惚れられたのだから、ひと波乱もふた波乱もあるだろう。 「僕、早まった感じ?」  そういうと眉をひそめて、大丈夫だと言いながら、髪をわしゃわしゃと乱された。  やがて仁が煙草を揉み消して、アズの横に潜り込んでくる。  そして朝がくるまで、その逞しく鮮やかな腕に抱かれて眠った。       END
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