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都内某所のお洒落なお店を貸し切ってのガーデンパーティー
「こら、未成年」
あたしからシャンパングラスを取り上げたのは―――
「貴史さん」
「ミリカ、こちら『シャイン』の松原編集長」
ブラックスーツを着た貴史さんに紹介されたのは、イタリア製のシャツを着たちょいワル親父系の男性。
「初めまして、ミリカです。
この度は『シャイン』ご復刊おめでとうございます」
「ああ、ありがとう。
君がミリカちゃんか、可愛いねぇ。
うちの読モやらない?」
「松原さん、ミリカはうちの専属モデルなんですよ」
「失礼。可愛いコを見るとつい…
そういえば君のミューズだったね。今日のドレスも君が?」
そう言ってあたしの身体を舐めるような目付きで眺めまわす。
纏わりつくような視線に思わずたじろぐと
「ええ。それで今回の特集なんですが ───」
貴史さんはさりげなく話題を変えて編集長をこの場から連れ去ってくれた。
また、会場でひとりぼっちになるあたし。
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