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今だって、少しは髪が伸びたけど女子の制服が似合ってるかどうかは正直ビミョー。
一番気になるのは、あんなに明るかった真帆が笑わなくなったこと───
「ミリカ?」
不意に声を掛けてきたのはフォトグラファーの葉月笙。
「ショウさん!」
「おっと」
うちのブランドの撮影で何度も一緒になったことがある。
知らない人ばかりの場所で見知った人に会えた嬉しさで飛び付いた。
海外帰りらしい日に焼けた肌が男らしいショウさんと外国風の挨拶をする。
「今日も素敵なドレスだね…撮らせてよ」
腰に回された手が、湿り気を帯びるのを感じた。
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