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「気を失うまでってどうよ」
排水口に流れていく
ショウさんの遺伝子を見ながら
つぶやくと───
「鬼畜」
「真帆───」
「───久し振りだね。一緒に寝るの」
一緒にお風呂に入って、同じベッドで眠る。
あたし達が小さい時、パパとママは仕事で忙しくてほとんど家にいなかった。
だけど真帆がいたから───寂しいと思ったことはなかった。
真帆の部屋はとてもシンプルでスタイリッシュ。
アースカラーでまとめられたファブリックは男の子の部屋みたい。
真帆はあんまり弱音を吐かない。
だけどたまにこうして一緒に寝たがる時がある。
そういう時でも何があったとか言わないし、あたしも聞かない。
ただ───ママのお腹で二人がひとつだった頃のように一緒に眠るだけだ。
それだけで元気をもらえるような気がするのは双子だから?
あたしと真帆の───ふたりだけの儀式。
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