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「○○って男が好きなものでしょ?」とか「あれは女子向けだから」とはよく言うけれど、思い込みにすぎないこともある。そういう先入観と現実が全然違うところに、現象としての新しさがある。
そういうところに、これまでのセオリーとは違った「やりよう」がある。
■「深町男子」の衝撃
ここでは一例を紹介したい。
Twitterのフォロワー数32万オーバーの人気イラストレータ深町なかさんの「ほのぼのログ」が紙の画集(一迅社刊)に次いでなんとノベライズが刊行されたので、2015年3月22日に渋谷TSUTAYAで行われたサイン会を覗いてきた。
ボカロ曲の小説化どころかついには物語性がそんなにあるわけではないイラストから小説化。
来るところまで来た感ある――が今回の本題はそこではない。
深町さんの作風はタイトルどおりとてもほんわかした雰囲気の恋人どうしの男女のほんわかしたシチュエーションを切り取ったもので、10代~20代女子を中心に人気である。
……というのが、とおりいっぺんの紹介なのだけれど、サイン会に行ってびっくり!
高校生くらいの男の子がけっこう並んでいて、男女比半々近い、4対6ていどの感じ。
彼女に連れ添ってというひともいれば、ひとりとか野郎同士ふたりで、とかもいた。
もちろんガチムチ体育会系みたいなタイプはおらず、もやし(失礼)というか細身でおとなしそうな文化系ぽい感じ、やや美化して言えば深町作品に出てきそうな男子多めだった(あそこまでの雰囲気イケメンとは言えない普通の外見のひとが多いけど。服装とか空気感は)。
列の先頭が男だったから、場所を間違えたかと思った……。
10代女子がいちばん読んでいるマンガ雑誌は数ある少女マンガ誌ではなく「ジャンプ」(学校読書調査による)、だとか『ラブライブ!』やアイドルのライブではよく女子限定デーとか女子専用ゾーンが設けられている、という事実に象徴されるように、女性が男性向けっぽく見えるアクション/スポーツものやかわいい女の子が出てくる作品にハマる現象は、かつて以上にポピュラーになっていて、それは広く認知されている。
けれど、その逆もけっこうきてるのかもしれない。
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