死体処理サービスセンター

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「あなたと、あの会社の関係は何んですか?」 「・・・実は、ここだけの話ですが、アルバイトなんだ」 「アルバイト?」  男に言われて、あの時、サービスセンターのホームページ。そこに、アルバイトの募集があったのを思い出した。従業員の募集だと思い、会社を経営している私は目を通さなかったし、死体を目の前にしアルバイトの内容を考えている余裕すらなかった。 「死体のだ」  男はそう言って、ポケットからパッケージに包まれた赤い錠剤を出して私に見せる。 「これは?」 「あの会社で秘密裏に製造されている仮死薬だ。これを、飲むと体温が低くなり心拍数もほどんと無くなり仮死状態になる。ただ、普通の仮死状態とは違い意識もあるしある程度、動くこともできる」 「つまり、それを、飲んで私の家の庭で・・・」  なんとなく事の真相が見えてきた。 「死んだフリをして相手が困る様子を、ずっと見ているんだ。半日も経てば、体温も戻り、身体も普通に動かせるようになる」  悪趣味な嗜好だ。他人の不幸を間近で見て楽しむなど、良い趣味とは呼べない。いや、それ以前に、薬もサービスセンターが作り、死体を処理に来たのも同じところ。そして、男はこれをアルバイトと称した。それは、つまり、 「あとはセンターの者がやってきて私を回収してきて適当なところで、依頼料から紹介料ということで、一部をいただく」 「つまり、私をこぞって騙したということか」 「そうなるな。これを聞いて怒るのも分かる。誰だって真相を知れば、怒りたくなる。私だってアンタと同じだから」 「私と同じ?」 「ある時、軒下に死体が転がっていた。そこで、アンタと同じようにサービスセンターに連絡を入れた。顛末はアンタと同じだ。騙されたことを知った矢先に、紹介されたのが死体のアルバイトなんだ」  男は自分と同じように、死体のアルバイトを紹介すると言う。アルバイトといっても、すでに見ての通り、適当な民家で薬を飲んで倒れればいいだけのこと。あとは、家の住民が慌てふためく姿を見ていればいい。ただし、標的にするのは私達のように、公に出来ない事情を抱えている人間の方がいいという。常識的なところで、死体に扮すれば警察が呼ばれてしまうから。
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