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今日は(享年が)1つ上のヒロさんと外に出ていた。
お菓子選びに付き合ってもらうためだ。
ヒロさんのお陰ですぐに決まり、今はその帰りだ。
「ヒロさん、買い物に付き合ってもらってありがと~!僕、あまりお菓子とかに詳しくないからさ~、やっぱりプロに頼むのが一番だよね~!」
「プロ……。そ、それより、それ誰かにやるって言ってたけど一体、誰にやるんだよ?」
少し顔を赤くしながらヒロさんが聞いてきた。
「ん~?これ?えへへー(^ー^)」
「なんだよ……?」
「秘密だよー!」
人差し指を口元で立てて、ニッコリ笑う。
「教えてくれてもいいじゃんよ。買い物に付き合ってやったんだしさー!」
「んー、そうだね、じゃあ少しだけ教えてあげるー!耳かして?」
「?」
ヒロさんは少し屈んで、耳をこちらに向ける。
スィエラは両手で口を隠して近づく。
そしてーー
「(・ε・*)フゥー」
吹いた←
「うわっ!?」
ヒロさんはくすぐったそうに慌ててスィエラから離れる。
「ちょっ何すんだよ!」
「これ面白いね~」
クスクス笑いながら小走りしながらヒロさんから距離を取っていく。
「あっおい!結局誰にあげんのか聞いてないぞ!!」
ヒロさんもスィエラを追って走り出す。
「貴方の知らない人だよ!」
「知らない人?どんな奴?」
「僕が孤児院にいた頃にお世話になった人だよー」
「そっか…。喜んでくれるといいな」
「うん!……もう話すことはできないんだけどね」
最後の言葉は聞こえないくらい小さく呟いた。
「ん?なんか言ったか?」
「え?何も言ってないよー」
「ならいいけど」
再び前に視線を戻した瞬間、
「みーつけた」
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