969人が本棚に入れています
本棚に追加
必死の俺の弁解で、リサは帰って来た。
「良いでしょう、信じます……やっぱり撤回します」
変態がリスポーンしました。
「おいこのド変態、何してやがる」
「ちょっと今体内の空気を全部亮の匂いに変換してーー」
「ふんっ」
ド変態を再度機能停止させたが、密着状態のこれはよろしくない。
「……兄さん」
「リサよ、何も言うな……」
亮は、とんでもないド変態を拾ってしまったと、今更ながら後悔した。
一応リサの誤解ーー不本意ではあるが、俺のせいらしいーーをとき、朝食をとることに。ド変態は、あてがう予定の部屋に縛り付けてきた。
「おはようリョウ、彼女面白いだろう?」
ぬけぬけとそう告げるライを、怒りのこもった視線で睨み付ける。
「面白く無いわ!なんだあのド変態ドMは!とんでもないものに関わらせてくれたな!」
ライはその言葉も視線も、わざとらしい笑い方で流した。
「それは置いておいて、改築できる人材は集まったから、早速屋敷の改築を始めてもらおうと思う。あとは勧誘したものたちが、今日から移住してくるから、その対応をする必要があるね」
屋敷は元々兵も常駐できるほどに広かったため、多少なら許容できる。
しかし、設備的に十分とは言えないため、施設の増築および改装が急務となった。
「兵と文官の方はライに一任する。ラッセは昨日の続きを頼む」
朝食の席が話し合いの席になりつつあるが、仕方ないだろう。
全員日中は忙しくしていて、揃うのが朝食ぐらいだから。
朝食を食べ終えると、各々せわしなく出ていく。
リサとレイラさんだけは、残って片づけをする。
これが日常になっていた。
亮は執務室に戻って、新しく来る予定の者たちのリストを確認していた。
「なんだか順調すぎて怖いな。そろそろどこかで綻びが出てきそうな……」
そうつぶやいたとき、部屋に違和感を感じた。
亮は違和感の正体を確かめようとしたが、感づかれないようにそのままリストの確認をしている振りをした。
最初のコメントを投稿しよう!