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タツオはちらりと盗むような笑みを見せた。
「そうか、なら、ぼくも3ヵ月分の小遣いを賭ける」
「どっちにだ?」
今度は獰猛(どうもう)に歯をむきだして笑ってみせた。
「当然、ぼくだ。逆島断雄の勝利に」
不思議な感覚が身体(からだ)の中を駆(か)け巡っていた。ジョージに仙骨にある身体の予備エネルギータンクの栓(せん)を抜かれてから、全身に太陽の光が満ちあふれているようだった。快晴の空に爽快(そうかい)な嵐が吹き荒れている。高気圧が身体の中心に腰を据(す)えたようだ。この調子なら、絶対にカザンに勝てるとはいわないが、いい勝負ができそうだった。
ジョージがタツオの肩に手をおき、目を見つめてくる。なにを考えているのかわからない謎の視線だった
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