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リルカは、自分がなぜそこにいるのか解らなかった。
古びた本棚。
赤茶けた、本。
乾燥した机に、おおきな花瓶。
しおれかけた花。
部屋の扉は開いていて、外からは秋の風が吹き込んでいた。
椅子はあるのに、座らずに、
リルカは床に寝ころんでいた。
見上げる天井、舞い込む落ち葉。
どうして、わたしはここに居るの?
記憶の欠片を探してみても、
答えは見つからない。
わたしの名前。
わたしはリルカ。
それだけは解っていた。
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