【3】 出合い

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「屑みたいな男ばかりではないということだ。君に必要なのは拠り所となる伴侶ではないかな」 「私は勉学を伴侶とします」口答えをするように即答した。 柊山は、はははと笑った。 「反骨精神は嫌ではないよ、むしろ好ましいくらいだ。1年」 柊山は人差し指を立てる。 「時間をやろう。1年だ。この12ヶ月の間に、君が望む地位に立つために必要な学習計画を立て、私に提出しなさい。君に関しては、秀以外認めない。当然だろう、君は高みを目指すと言った。一年間、頂点を維持できないで、今後の学究生活が過ごせるとも思えない。どうかね、できるかね」 「やります!」 柊山の言い終わるのを待たず、彼女は叫ぶように答えた。 「元気が良い学生は好きだよ」 柊山の顔に笑みが浮かんだ。 とうの昔に死んだ祖父を思わせる、柔和な笑みだった。女に学はいらないと言われ続けた家で、成績が上がると褒めてくれたのが祖父だった。 幸子は偉いな、賢いな。もっと勉強して、もっと賢くなりなさい。 祖父の励ましと褒め言葉がなくては今の私はなかった。 「がんばります」 「明日から来るように。席を用意させておく」 「ありがとうございます!」 ぺこり、頭を下げた。柊山と、その背を見晴るかした先にいる祖父に宣言するように。 「ところで」 マッチを擦って煙草に火をつけ、ふうと煙を吐きながら柊山は言った。
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