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「今日は…存分に甘えていいよ。」 頭の上から思っても無かった主任の言葉が落ちて来て しがみついていた腕の力を緩め、 主任の顔を見つめると いつもより少しだけ柔らかい表情で、 「今日は…萌の気が済むまで…甘えて良いよ。」 そんな…優しい事言ってくれるなんて… じわじわと涙が浮かんで、 主任の顔が滲んで見える。 この人は…上手に飴と鞭を使うなー。なんて この甘い雰囲気に似合わない事も考えてしまったけど、 嬉しくて嬉しくて、 肋骨を締め付けるほど力強く抱き着いた。 それを笑った主任は、 負けじとギューっと強く抱きしめてくれて、 最終的には 潰れたヒキガエルみたいな声を出して 私が完全に負けた。
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