それを愛と言うのなら…その後。

２

「良いんです。ただ申し訳なくて、
ホント色々とお気遣いしてもらってるのに…」

高地さんや村上さんから聞いていた情報が嘘だって思うほど
瞳子さんには良くしていただいている。

元カノだった武井さんとのやり取りも
にこやかに聞いてくれて、
その後で、

「颯…萌ちゃん泣かせるようなことしたら
ぶっ殺すわよ。」って物騒な発言も飛び出すほど
大事に思ってもらえることを嬉しく思う。

「幸せです…」

いろんな気持ちが混じり合って
感極まってしまって
どんな言葉にしていいかわからなくて
その一言だけを颯さんにぶつけると

「ありがと。」

いつもよりも砕けた物言いで言ってくれたので、
運転中の横顔を覗き込んだ。

少しはにかんだ笑い顔は
あんまり見た事の無い笑い顔で、
ますます胸がいっぱいになった。