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これからの生活の事も考えて、
出来ないよりは出来る方が良いだろう…と、
お母さんと一緒にいられる時は
なるべく色々な事を教えてもらっておこうと思う。
車の運転をしながら、
「いない間は何して過ごしてる?」
颯さんに質問されたため
「高地さんたちと…手芸教室したりする予定です。」
前に話しておいたからそれだけで通じた。
颯さんは何をしてても特に何かを言う訳でもないし
私の動向を管理するタイプでもない。
何となく…寂しがってる私の心情を
すばやく察知したから、何か会話を…と思ったらしい。
「高地が針と糸使って何か作るなんて想像できねーな。」
ハッと短く笑って、高地さんには聞かれたくない一言を呟いた颯さんに
軽く鉄拳を食らわすと、
「萌も…『おかーさん。お願い。』ってならないようにな。」
いつの間にか定着した『萌』がどんどんと普通に出てくるようになったのが
とても嬉しかった。
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