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「ホント…不器用ねー…」 お母さんの言葉がズシーンと響く。 器用になりたいとは思っているけど、 どうもいろいろな工程を省きたがるので、 上手に出来るはずがない。 コツコツやる教科は成績も悪かった。 裁縫の時の家庭科とか、美術とか… 集中力が切れた最終工程で 今までの努力が水の泡…ってな作品ばかりを提出するもんだから 先生…苦い顔してたもんなぁ… とは言え…調理分野は得意だった。 それは今も役立っているんだけど… でも、出来ないよりは出来た方が…良いに決まってる。 「子どもが幼稚園に通うようになった頃… 裁縫モノ結構多いですよね?」 高地さんの一言に 紅茶を一口含んでいたお母さんが ゴクリと飲みこんだ後でコクコクと頷く。
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