第1章

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 今から17年前の30代。仕事を辞めたばかりで無職だった。 犬もいない独り暮らしの頃、いったい月いくらあれば最低限度暮らせるか計算した。 15万円なり~と出た。家賃の3倍だった。 そして、月15万円分派遣で働くと、あとは毎日ころがっていた。図書館に通い、昼寝をしていた。 幸せだった。そして、そんな時、知り合いから、やりたかった派遣の仕事の話が来た。 それは2度目の海外での勤務の機会となった。 数ヶ月の短期間であったが、ずっと、もう一度、外国で暮らして働いてみたいと数年間、思っていた頃だった。  仕事内容や組織については正直、おいおいって思う経験もしたが、それ以上に、その数ヶ月は私に素晴らしい思い出をくれた。お金では絶対買えないのが思い出。人生の超財産。  話はそれたが、ひらめいた嬉しさと、 金額を優先して何かを選ぶと辛くなるって気がついた。  ちなみに、私が2度目に行った国は、キリバス共和国・クリスマス島という、超マイナーな島。 これも自分だったら、絶対思い浮かばなかった進路。  ほんと、ひょんなトコから、縁は出来る。 でも、それも、余裕がある状態だから、その縁をつかめたのかもなあ。  月15万円のその日暮らしで、余裕っていうのも変ですが、 やっぱり、精神的余裕って大事だなと振り返って、改めて思った。
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